
前回のココトキインタビューでは加藤市長に美濃焼の可能性についてのお話を伺いました。そのバトンは、土岐商工会議所・大島健太郎会頭へ!
土岐市の重要産業である美濃焼。この美濃焼を中心に、イオンモール土岐と連携してさらなる土岐市の発展が求められています。
そこで、中小企業や地域経済の活性化を目的としている土岐商工会議所の大島健太郎会頭に、土岐市の持つ魅力や土岐商工会議所会頭としての想いをお話いただきました。

土岐市発展のカギは
地場産業である美濃焼
まずは地場産業である美濃焼について、商工会議所と市の連携、美濃焼の今後の展望について聞いてみましょう。
「土岐市は美濃焼に関連する企業がたくさんあって、窯元が約260者、美濃焼を扱う商社が約130者、その他関連事業を行う会社は合計約700者もあります。じつに約5,200人もの市民が美濃焼に携わっているんです。
これだけの事業者数と従事者がいますから、美濃焼関連の企業が元気になれば、市の産業全体ももっと盛り上がっていくはず。その思いのもと、市と連携をとりながら、粘り強く様々な支援事業を展開してきました。
具体的には、メーカーや商社、商工会議所が委員となった「美濃焼PR委員会」です。この委員会では、展示会や見本市などでのPRや、パンフレット・リーフレット等を発行し、美濃焼の知名度向上や販売促進につながるPR・ブランディングを行っています。
また、美濃焼で「ふるさと名物応援宣言」を行うことにより、補助金申請はもちろん、美濃焼産業全体の貴重な財産でもある人材育成、情報発信について優先措置が受けられるようになっています。
こういった努力の甲斐あって、窯元の事業安定化や後継者問題の解決への糸口に継っているのではないかと思います。
土岐市の伝統的な産業である美濃焼が、今後も長く続いてくれると確信しています。」


これまでの”カタチ”にとらわれない
美濃焼の未来
では、これからの美濃焼を盛り上げていってくれるであろう、新進気鋭の企業についても話を聞いてみました。
「これまでの食器などの”器”としての美濃焼だけでなく、カタチにとらわれない美濃焼が生まれてきています。
中でもお客さんのニーズに柔軟に応えるため、多品種少量生産という生産体制へいち早くシフトして12,000種類ものアイテムを取り扱っているのが「光洋陶器」さんです。
この(株)光洋陶器は「ORIGAMI」(オリガミ)というオリジナルブランドも展開しています。このORIGAMIはコーヒーのドリッパーやカップなどを取り扱っているブランドで、バリスタの世界大会でも使用された実績がある注目の企業です。」

イオンモール土岐でスタートする
美濃焼の「実証実験」
新しくオープンするイオンモール土岐には「TOKI MINOYAKI」という美濃焼のショップが入ります。この出店によりもっと多くの人に美濃焼の魅力を発信できるようになります。
しかし大島会頭は、イオンモール土岐から美濃焼を発信する、という考えだけにとどまらず、もっと先の未来を見据えていました。
「イオンモール土岐は計画の段階から、地域との連携が念頭に置かれていました。
このチャンスを最大限に生かすため、商工会議所、土岐市、観光協会で協力して「土岐市販売戦略等チャレンジ協議会」を発足させました。
その3者合同で開設した店舗が「TOKI MINOYAKI」です。
ここでは、日常的に使える食器を中心に並べながらも、より付加価値の高い商品構成を心がけたり、若手陶芸作家の発表の場となる作品展示スペースを設けたりしています。
さらに、デジタル技術も積極的に活用して、新たな販売方法を模索する展望もあります。
美濃焼関連の事業者が、さらなるビジネスの可能性を探りながら販路拡大を目指す“実証実験店舗”なのです。
また、美濃焼は食器として使われることが多いのですが、ただ食器が並んでいるだけでは本来の用途にはなりません。食と器が揃ってはじめてそれぞれが生きてくると思っています。
美味しい料理に彩りを沿えるように、美濃焼に盛り付けて目でも楽しめる。日常のちょっとした贅沢な時間を楽しんでもらいたいのです。
イオンモール土岐のTOKI MINOYAKIでは、そんな「美濃焼のある暮らし」の提案も発信しているので、ぜひ足を運んでもらって美濃焼の魅力と未来に触れていただけたらと思っています。」

「行動力と思いやり」で土岐市を盛り上げたい
土岐市のことを考えて精力的に活動している大島会頭。イオンモール土岐をはじめ、土岐市や観光協会などとも積極的に連携して「土岐市を盛り上げていきたい」と奮闘しています。
大島会頭の行動力の裏には、土岐商工会議所の会頭としての思いが込められていました。
「商工会議所は、企業の経営のお手伝いをするのが仕事です。経営に関するノウハウの提供をしたり、補助金を出す仕組みを作ったり、といったところです。
でもそれだけが重要かと言えばそうではなくて、商売は最終的に人と人とのつながりになると思っています。そこで大切になるのは『行動力と思いやり』。
今回のイオンモール土岐との連携についても美濃焼に関係するみんなが行動力と思いやりを持って美濃焼を発信していきたいですね。
これからも土岐市の誇る伝統産業である『美濃焼』を中心に、イオンモール土岐とともに土岐市を盛り上げていきたいと感じています」

土岐商工会議所 会頭 大島 健太郎 氏
岐阜県土岐市出身。1966年岐阜県立多治見工業高校を卒業。1979年電気工事業を創業し、1984年法人化し(株)大島電氣工事の代表取締役就任。2018年に代表取締役会長。土岐商工会議所においては2016年副会頭、2019年に会頭就任。

